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― 深煎りコーヒーに合う一冊 ―

『こころ』 夏目 漱石 / 新潮文庫

書籍「こころ」の表紙画像
(リンク先:楽天市場) ※単行本が入手しにくい場合は、文庫版や新装版など、ほかの版も探してみてくださいね。

TASTE / 本の味わい

  • 「私」と先生の静かな交流
  • 友情と恋の間で揺れる心
  • 長い手紙で明かされる先生の過去

RECOMMEND / こんな時におすすめ

  • 人の心の弱さを描いた物語を読みたい時
  • 友情や恋、罪悪感について考えたい時
  • 読み終えたあとも心に残る名作を読みたい時

OWNER'S NOTE / 店主のひとこと

学生の「私」は、鎌倉で出会った一人の男性を「先生」と呼び、慕うようになります。先生には人を遠ざけるようなところがあり、「私」が近づこうとしても、なかなか心の内を話してくれません。やがて「私」のもとに先生から長い手紙が届き、親友Kと同じ女性を好きになった過去と、先生が抱え続けてきた罪が明かされます。

先生のしたことは身勝手に見えますが、好きな人を取られたくない気持ちや、本当のことを言い出せない弱さは、誰の中にも少しはあるものかもしれません。読んでいる側も、先生を簡単に責めることも、すべてを許すこともできなくなります。人を信じたい気持ちと、自分を守りたい気持ちがぶつかる苦しさが、とても伝わってきました。

古い作品ですが、友情や恋、後悔という気持ちは、今読んでも遠く感じません。苦みのある深煎りコーヒーと一緒に、急がずじっくり読みたい作品です。

Hon to Coffee o Douzo